社員への受診命令
社員が受診しないとき、会社は受診を命令できるのか ― 「拒否」の中身と、命令の根拠・限界【産業医が解説】
「明らかに様子がおかしいのに、病院に行ってくれない」「産業医面談を勧めても応じない」。人事担当者から繰り返し寄せられる相談です。本記事では、まず会社の判断軸をどこに置くべきかを整理し、次に「受診しない」という状態の中身を産業医の視点から分解したうえで、受診命令の法的な根拠と限界、就業規則に定めておくべき要素を解説します。
この記事の要点
- 会社が「拒否されている」と受け取っている状態の多くは、不調に伴う判断力の低下・視野狭窄と、「休職すると良くない」という漠然とした不安が重なったものです。ここで上げるべきは命令の強度ではなく、説明の強度です
- 一定の条件のもとで、受診を命じることはできます。ただしその実効性は、就業規則に規定があるかどうかでほぼ決まります
- 就業規則は、命令の根拠であると同時に面談での説明材料でもあります。診断書に書かれた個別の配慮要望に対応できるかどうかも、ここで決まります
- 就業上の措置をとる場合、その根拠は事例性の側にあります。「受診しないこと」を根拠に据えると循環に陥ります
- 規定がない状態でも、打てる手は残っています
目次
はじめに ― 受診を命令することはできるのか
まず、この点から整理します。ご相談を受けていて感じるのは、そもそも会社が受診を命じてよいとは思っていない担当者の方が少なくない、ということです。健康や医療は本人の領域であり、会社が立ち入るべきではない、という感覚は理解できるものです。
結論から申し上げると、一定の条件のもとで、受診を命じることはできます。 就業規則に根拠となる規定があり、その内容が合理的であって、当該命令に必要性と相当性が認められる場合には、業務命令としての効力を持ちます(電電公社帯広局事件、最判昭61.3.13。詳細は第3章)。
ただし、この記事でお伝えしたいことの中心は、そこではありません。実務で行き詰まる原因の多くは、命令を出せるかどうかではなく、「受診しない」という状態の中身を取り違えていることにあります。 命令を強めることが解決になる場面は、実際にはそれほど多くありません。順を追って整理します。
第1章 会社の判断軸は「事例性」に置く
事例性と疾病性
産業保健では、労働者の状態を二つの軸で捉えます。
- 事例性……遅刻・欠勤が増えている、業務上のミスが目立つ、周囲とのトラブルが生じている、といった職場で観察される客観的な事実
- 疾病性……病名、症状、重症度、治療内容といった医学的な事柄。産業医・主治医が扱う領域
会社側の判断は、原則として事例性に置くべきです。これは当事務所が繰り返しお伝えしている考え方ですが、受診命令の場面では、単なる望ましい態度という以上の実務的な意味を持ちます。
疾病性に踏み込むと、命令の正当性が弱くなる
「うつ病ではないか」「発達特性があるのではないか」といった推測から出発すると、次の三点で不利になります。
一、判断を誤りやすい。 同じ「遅刻が増えた」という現象の背景には、睡眠不足、睡眠時無呼吸、服薬の影響、精神疾患、家庭の事情、単なる怠業まで、性質の異なる可能性が並びます。専門的な評価なしにこれを絞り込むことは困難であり、多くの場合、手元にある最も分かりやすい説明に引き寄せられます。
二、本人の反発を招く。 「会社に病気扱いされた」という受け止めが生じると、その後の話し合いが著しく困難になります。実際に紛争化した事案の多くは、この段階でこじれています。
三、命令の必要性・相当性を説明できなくなる。 受診命令が有効と判断されるかどうかは、後述するとおり、その必要性と相当性にかかっています。ここで会社が示せる根拠が「様子がおかしいから」「メンタルだと思うから」では、およそ足りません。
逆に言えば、「直近2か月で当日欠勤が7日」「顧客への納品ミスが3件連続」「会議中の発言が支離滅裂と複数名から報告」といった事例性の記録が揃っていれば、命令の必要性は説明しやすくなります。 事例性を軸に据えるべき理由は、倫理的な配慮であると同時に、会社が自らの立場を守るための実務でもあります。
第2章 なぜ受診に至らないのか ― 産業医から見た実際
会社側からは「本人が受診を拒否している」という一つの状態に見えます。しかし面談で話を伺っていると、その中身はかなり異なります。そしてどれに当たるかによって、有効な打ち手が変わります。 ここを飛ばして命令の強度だけを上げると、多くの場合うまくいきません。
「受診しない」の中身は一様ではない
実務で最も多く出会うのは、次の二つが重なった形です。
一、不調(主にメンタル面)に伴う判断力の低下と、心理的視野狭窄。 うつ症状や適応障害では、受診したほうがよいと頭では理解していても、医療機関を調べる、予約の電話をかける、日程を決めるといった一連の行動が取れなくなります。選択することも、行動を起こすこともできない状態です。加えて視野が狭まり、目の前の業務や不安以外に考えが向かなくなります。「行かない」のではなく「行けない」。ところが外形的には「勧めたのに動かない」と同じに見えるため、意欲や態度の問題として受け取られがちです。
ここで留意すべきは、この状態は診断がついているかどうかと必ずしも一致しないという点です。診断基準を満たす水準に至っていなくても、判断力や視野への影響は生じます。会社としては、診断名が確定するのを待つ理由はありません。 判断すべきは事例性であり、この点でも第1章の原則が働きます。
二、受診や休職に伴う不利益を恐れている。 とくに「休職すると良くない」という漠然とした不安は、非常によく見られます。評価や昇進に響くのではないか、戻る場所がなくなるのではないか、収入が途絶えるのではないか。これらの多くは制度を知らないことから来る不安であり、具体的な根拠を伴っていません。
この二つは、多くの場合セットで現れます。そして重要なのは、ここで上げるべきは命令の強度ではなく、説明の強度だということです。休職期間の長さ、傷病手当金の手続きと支給額、復職の判断基準と手順、復職後の取扱い。これらを具体的に説明すると、不安の相当部分は解消します。行動面についても、受診先の候補を具体的に示す、診療時間や予約方法を調べて伝える、日時をその場で一緒に決めるといった、受診行動と予約の負荷を下げる支援が有効です(家族への協力依頼は第一の手段ではなく、本人の同意が前提となります)。話を聞いたうえで制度と体制を丁寧に説明することは、多くの場合、命令よりもはるかに効果があります。
三、病識が保たれていない。 精神疾患では、自分が不調であるという認識そのものが損なわれることがあります。とくに躁状態や、精神病症状を伴う場合に顕著です。本人が言う「大丈夫です」は、この場合、嘘でも強がりでもありません。本人の主観としては本当に大丈夫なのです。説明や説得で動く性質のものではなく、家族を含めた働きかけの設計が必要になります。頻度としては一・二より少ないものの、放置した場合のリスクは最も大きい類型です。
四、個別の事情。 経済的な事情、家族の反対、過去の受診体験がよくなかった、周囲に知られることへの抵抗など。ここに含まれるものの幅は広く、共通の対処法があるわけではありません。共通しているのは、本人から自発的に語られることがほとんどないという点だけです。面談を重ねる中で初めて出てくることが多く、逆に言えば、面談を経ずに推測することはできません。
五、疾病性の課題が乏しく、事例性のみの場合。 これは性質が異なりますので、項を分けて後述します。
初回で断られた後、どう進めるか
初回の面談で受診に拒否的であること自体は、珍しくありません。そこで打ち切らず、間隔を置いて状況確認を繰り返すのが基本方針です。
そのうえで、改善が乏しい、あるいは悪化が見られる場合に、受診勧奨の強度を上げていきます。このとき、就業規則の該当条項を参照しながら話をすることが有効です。
ここでの就業規則は、命令を発するための根拠としてではなく、面談の場での説明材料として機能しています。「会社にはこういう定めがあり、この状態が続けばこの条項の適用を検討することになる」という見通しを共有することで、本人が自分の置かれた状況を具体的に把握できるようになります。前項の「不安の多くは制度を知らないことから来る」という話と、ここは表裏の関係にあります。
第5章で就業規則の整備を扱いますが、規定が必要な理由は命令を発するためだけではありません。面談の場で示せる材料があるかどうかという点でも、実務上の差が出ます。
疾病性の課題が乏しく、事例性のみのケース
業務上の不満や対人関係の問題が主であり、医学的な問題は乏しい、というケースも実際にあります。そして会社が最も対応に困るのは、この類型です。 指導や懲戒のルートに乗せてよいのか、それとも健康上の配慮が必要なのか、判断がつかないまま時間だけが経過します。
ここでも主眼は、あくまで事例性です。業務遂行上の支障に対しては、通常の指導・業務管理として対応することになります。
ただし、それでも疾病性を否定しておくこと自体に意味がある場面があります。日本ヒューレット・パッカード事件(第3章で詳述)が示すとおり、疾病の関与が疑われる状況で医学的な確認を経ずに不利益処分へ進むことには、大きなリスクが伴います。裏返せば、「医学的な評価を経たうえで、就業に影響する健康上の問題は認められなかった」という確認があってはじめて、通常の指導・処分のルートを安心して進められる、ということです。
この意味で、受診命令や産業医面談の目的は「病気を見つけること」だけではありません。疾病性の関与を否定することもまた、正当な目的です。事例性のみに見えるケースで受診を求める方針をとることは、決して矛盾した対応ではありません。
診断書の文言をどう読むか
本人が就業の継続を希望している場面では、主治医が「就労不能」と明確に記載することはかなり稀です。 「休養を要する」「加療を要する」といった表現にとどまることが多くなります。
理由は二つあります。一つは、主治医が本人の意向を汲む立場にあること。もう一つは、主治医が職場の実情を知らないことです。就労が可能かどうかは、業務内容、業務量、通勤負荷、周囲の支援体制といった条件によって変わります。それらを知らないまま「就労不能」と断定することは、医師の側から見てもためらわれます。
したがって、会社としては診断書の文言だけで判断せず、記載の趣旨を確認する必要があります。産業医から主治医へ情報提供を依頼する、あるいは職場の状況を書面で主治医に伝えたうえで意見を求める、という手順が有効です。
なお、病名を記載せず症状名(「抑うつ状態」など)にとどめる医師もいます。病名だけで重症度を判断されることを避ける意図によるものです。ここも、会社が真偽や程度を判断できる領域ではありません。
「配置転換すれば就労可」と書かれたとき
診断書には、条件付きの意見が記載されることもよくあります。「配置転換により就労可能」「在宅勤務であれば就労可能」「残業のない部署であれば可」といった記載です。
これも、主治医が職場の実情を知らないことに由来します。悪意があるわけではなく、本人の話から想定される配慮を、そのまま記載しているだけです。主治医は、その配置が現に存在するのか、在宅勤務の制度があるのか、他の従業員との公平性はどうか、人員に余裕があるのか——いずれも知りません。
したがって、診断書に「配慮すれば就労可能」と書かれていることは、その配慮を会社が実施する義務が直ちに生じることを意味しません。 産業医が職場の実情を踏まえて実現可能性を評価し、最終的には会社が決定します。
もっとも、検討をしなくてよいという意味でもありません。職種を限定した雇用契約でない場合には、他の業務での就労可能性を検討すべきとした片山組事件(最判平10.4.9)の趣旨が及びます。「検討すべき」であって「必ず実現すべき」ではない、という距離感になります。
そして、この場面での帰結もまた就業規則です。就業上の措置としてどのような選択肢が制度として用意されているのか——短時間勤務、業務内容の制限、在宅勤務、配置転換の可否——をあらかじめ定めておかないと、個別の診断書の記載に振り回されることになります。制度として存在しない配慮を求められたときに、何を根拠に断るのかが説明できません。
面談の場で実際に起きていること
産業医の立場から申し上げると、会社から「産業医と話してほしい」「体調の確認のため」としか説明がない場合、「面談で話した内容によって自分が不利益を被るのではないか」と考える従業員はかなり多い印象です。 こちらが否定しても、面談の終盤まで不信感が拭えないケースが少なくありません。
この状態で面談が始まると、産業医は「本人が話さない、話そうとしない」という地点からスタートすることになります。情報の取扱い、想定される不利益とその否定といった基本的な事柄から順序立てて説明し、協力を得られる姿勢になっていただくところから始めざるを得ず、結果として面談は長時間に及びます。時間の制約がある場合には、面談を設定したのに何も得られなかった、という結果になりかねません。面談前の説明は、面談の意義や有用性そのものを規定していると言えます。
したがって、面談を設定する前に、会社が何を課題と考えているのか、なぜ産業医面談という枠組みを提案するのか、話した内容が誰にどこまで共有されるのか——この三点を本人に伝えておくことを推奨します。とくに三点目は、前述の「不利益を恐れている」類型に直接効きます。
診療科は精神科とは限らない
自発的に受診に至るケースでは、倦怠感、頭痛、消化器症状、体重減少といった身体症状を訴えてまず一般内科を受診し、器質的な異常が認められないことを確認してから心療内科へ、という経路をたどることが少なくありません。
これは遠回りではなく、必要な手順です。甲状腺機能低下症、貧血、睡眠時無呼吸症候群、薬剤の影響など、身体的な原因が背景にあることは珍しくありません。実際、産業医が受診勧奨を行う際にも、まず一般内科での評価を勧める場面は相応にあります。
会社側が「メンタルの問題だろう」という前提で精神科・心療内科の受診を求めると、この手順を飛ばすことになり、加えて本人の反発も招きます。診療科の判断は医療側に委ねるべきです。第1章で述べた「疾病性に踏み込まない」という原則は、ここにも及びます。
第3章 受診命令の法的な根拠と限界
ここまでの手段を尽くしてなお動かない場合に、命令の話になります。
根拠 ― 就業規則があるかどうか
電電公社帯広局事件(最判昭61.3.13)は、頸肩腕症候群で長期療養中の職員に対し、事業者が指定病院での精密検診受診を業務命令として二度発したところ、職員がこれを拒否した事案です。最高裁は、就業規則に労働者が業務命令に従うべき旨の定めがあり、その規定内容が合理的なものである限り、それが労働契約の内容となるとしたうえで、当該受診命令は合理性・相当性を欠くものではなく、拒否は懲戒事由にあたると判断しました。
京セラ事件(東京高判昭61.11.13)は、診断書を提出して欠勤していた従業員に対し、会社が3名の医師を指定して受診を指示したところ応じず、休職期間満了により退職扱いとされた事案です。就業規則に受診義務の明文がない場合でも、労使間の信義則ないし公平の観念に照らし、合理的かつ相当な理由があれば受診義務が生じうるという判断が示されたものとして知られています。
ただし、京セラ事件は高等裁判所の判断であり、個別事情に依拠した部分も大きいと考えられます。「規定がなくても命じられる」と一般化して依拠するのは危険であり、実務上は就業規則に規定を置くことを前提とすべきかと思われます。規定があれば電電公社帯広局事件の枠組みに乗り、拒否に対して懲戒を含む対応の余地が生じます。規定がなければ、命令の根拠から争われることになります。
命じないという選択にもリスクがある
受診命令は会社の権限ですが、必要な場面で用いなかった場合、そのこと自体が問題になりうる点も押さえておく必要があります。
日本ヒューレット・パッカード事件(最判平24.4.27)は、被害妄想と考えられる訴えを続けた従業員が、有給休暇を消化した後も約40日間出勤せず、会社が「正当な理由のない無断欠勤」として諭旨退職処分とした事案です。最高裁は、精神的な不調のために欠勤を続けていると認められる労働者に対しては、使用者としては精神科医による健康診断を実施するなどした上で、その診断結果等に応じて、必要な場合は治療を勧めた上で休職等の処分を検討し、その後の経過を見るなどの対応を採るべきである旨を述べ、そうした対応を採らないまま行った諭旨退職処分を無効としました。
実務への含意は、疾病の関与が疑われる場面において、医学的な確認を経ずに不利益処分へ進むという選択肢は事実上ない、ということです。必要な場面で受診を求めなかった場合、後に処分の有効性が争われた際に、会社側の不利な事情として評価されうることになります。健康障害が実際に生じた場合には、安全配慮義務を尽くしたといえるかという観点からも、同様の問題が生じます。
「半強制」という表現の意味と、その限界
受診命令は、本人を物理的に医療機関へ連れて行けるものではありません。その意味で強制力はありません。しかし、就業規則に基づく業務命令として発せられる以上、拒否に不利益が伴う構造を作ることはできます。具体的には、就業を認めない扱い、休職の発令、そして最終的には懲戒です。実務上「半強制レベル」と表現されるのはこの意味においてです。
同時に、限界も明確にしておく必要があります。
- 必要性・相当性を欠く命令は無効となりうる。 事例性の裏づけがない、あるいは目的に対して過剰な内容の命令は、業務命令権の濫用と評価される可能性があります
- 目的外の運用は許されない。 退職に追い込む意図で受診命令を用いた場合、その意図自体が争点になります
- 指定する医師の選択に合理性が必要。 会社と特別な利害関係のある医師や、専門性を欠く医師の指定は、相当性の点で問題を生じます
- 取得できる情報は目的の範囲に限られる。 就業上の措置を判断するために必要な範囲を超えて、診療内容の詳細まで会社が求めることは適切ではありません
つまり、事例性という土台があってはじめて、受診命令は半強制の実効性を持つという関係です。二つは対立しません。
第4章 就業上の措置 ― 「根拠」を取り違えない
命令にも応じない場合、次に検討するのは就業上の措置です。ここで論理の順序を誤らないことが重要です。
就業制限の根拠は「受診しないこと」ではありません。 「医学的情報が得られないので、安全側に倒して就業を制限する」という説明は一見もっともらしく聞こえますが、受診を促すために制限をかけ、その制限の理由は受診がないことだ、という循環に陥っています。この立て方では本人が納得しませんし、争われた場合にも弱いものです。
就業制限を要するのは、あくまで事例性の課題として、業務遂行または安全に具体的な支障が既に生じている場合です。その支障こそが制限の根拠であり、受診は、支障の原因を評価して必要な配慮の内容を定めるための手段にすぎません。順序は「業務上の支障がある → 原因の医学的評価が必要 → そのために受診を求める」であって、逆ではありません。実際、産業医が就業制限を要すると判断する場面の多くは、早急な受診・治療につなげること自体を目的とした制限です。制限が先にあるのではなく、支障の存在が先にあります。
就業制限が動機づけとして働く条件
そのうえで、就業上の措置が受診への動機づけとして機能するかどうかは、その措置が本人にとって実質的な不利益を伴うかどうかにかかっています。賃金の取扱い、担当業務、勤務形態に具体的な変化が生じない措置であれば、本人が受診を選ぶ理由は生まれません。「有用性に乏しい措置」になってしまいます。
裏を返せば、これは会社が一方的に発動して終わり、という性質のものではありません。「医学的な情報が得られない状態が続けば、就業の取扱いはこうなる」という帰結をあらかじめ本人と共有し、選択の余地を残したうえで運用するものです。産業医面談の場でこの構造を説明することによって、結果的に受診に至るケースは少なくありません。逆に、説明なく措置だけが下りてくると、本人は「病気扱いされたうえに不利益を課された」と受け取り、事態はほぼ確実に悪化します。
第5章 就業規則に定めておくべき要素
ここまでの整理から分かるとおり、命令の効力も、その後に打てる手も、就業規則の記載でほぼ決まります。条文の文言は企業の実情によって調整が必要ですので、ここでは規定に含めておくべき要素を挙げます。自社の規程と照らし合わせてみてください。
| 要素 | 趣旨・留意点 |
|---|---|
| 受診命令を業務命令として発しうる旨の明記 | 電電公社帯広局事件の枠組みに乗せるための土台。「命じることがある」ではなく、労働者が従うべき旨まで書く |
| 命令の対象となる場面 | 事例性ベースで記載する(勤怠の乱れ、業務遂行への支障、安全上の懸念など)。「心身の不調が疑われる場合」といった曖昧な書き方だけにしない。健診の有所見それ自体は命令の対象になじまない(下記参照) |
| 医師の指定権が会社にあること | 主治医の意見に加えて会社指定医の受診を求めうること、双方を求める場合があることを明記 |
| 費用負担と受診に要する時間の取扱い | どちらが原則かを明記しておく。受診費用・診断書料はいずれも本人負担が原則と整理するのが一般的(後述)。会社負担とする場合の条件も含めて定めておくと、拒否の口実を与えずに済む |
| 診断結果・意見書の提出義務 | 提出すべき書面の種類と提出先を特定する。あわせて、会社側で主治医意見書のひな型を用意しておくことが望ましい。自社の勤務実態(勤務時間、業務内容、通勤負荷、在宅勤務の可否など)を書面に織り込んでおけば、主治医が職場を知らないまま条件付きの意見を書く事態を減らせる |
| 産業医・主治医への情報提供と、会社が受け取る情報の範囲 | 就業上の措置の判断に必要な範囲に限定する旨を明記。健康情報取扱規程との整合を確認 |
| 命令に応じない場合の対応 | 就業を認めない扱い、休職発令、懲戒事由該当。この記載がないと、拒否された際に何もできない |
| 就業上の措置として取りうる選択肢の明示 | 短時間勤務、業務内容の制限、在宅勤務、配置転換の可否など、制度として何が用意されているのかを定めておく。これがないと、診断書に書かれた個別の配慮要望に振り回され、断る根拠も説明できない(第2章参照) |
| 復職判定の場面もカバーすること | 復職可否の判断に必要な受診・診断書・意見書の提出も同じ条項で押さえておくと、復職時の紛争を減らせる |
命令の対象となりうるのは、健診結果に基づく就業上の措置(同法第66条の5)の要否を判断する必要がある場合や、所見の内容が業務の安全に具体的な影響を及ぼしうる場合など、限定的な場面です。
加えて、就業規則本体とは別に健康情報の取扱規程を整備しておくことを推奨します。前掲の平成30年指針で求められているものであり、第2章で述べたとおり、共有範囲を事前に明示できていること自体が、本人の受診・面談への抵抗を下げます。
補足:受診費用と診断書料の考え方
この点は誤解が生じやすいため、項を分けて整理します。
受診命令に基づくものであっても、受診はあくまで医療の範疇にある行為です。 したがって、受診費用も診断書の作成料も、本人負担を原則と考えるのが自然かと思われます。会社の指示で受けるのだから会社が払うべきだ、という整理は、直感的には分かりやすいものの、いくつかの問題を抱えます。
まず、会社が費用を負担する形をとるのであれば、一部負担ではなく全額負担であるべきです。中途半端な補助は、かえって負担割合をめぐる争いを生みます。そして会社が全額を負担するのであれば、その受診は事業者が実施する健康診断に近い位置づけとなるため、健康保険による療養の給付の枠組みからは外して整理するのが筋ということになります。健康保険は業務外の傷病に対する療養の給付であり、会社が費用を負担して受けさせる検査をそこに乗せることは、制度の趣旨と整合しません。
もっとも、実務上は個別の協議のうえで会社が費用を負担するケースも存在します。本人の経済的事情が受診の障壁になっている場合などです。重要なのは、原則をどこに置くかを就業規則であらかじめ定めたうえで、例外を協議事項として残しておくことです。定めがないまま個別に判断すると、前例が積み上がって統一的な運用ができなくなります。
第6章 就業規則に規定がない場合、どこまでできるか
「規定を整備すべき」という結論は、いま目の前で拒否が起きている担当者にとっては役に立ちません。規程の改定は将来に向けてしか効かず、現に生じている事案には間に合わないのが通常です。そのため、規定がない前提で何ができるかを整理しておきます。
規定がなくてもできること
- 事例性に基づく通常の業務指示・業務調整。 これは受診命令ではなく、労務指揮権の範囲の話です。業務量の削減、担当業務の変更、単独作業や危険を伴う業務からの一時的な除外は、業務上の必要性が説明できる限り可能です。受診命令の規定がなくても、この手段は残っています
- 産業医面談の「提案」。 命令としてではなく提案として持ちかけ、本人の同意を得て実施する形です。規定の有無にかかわらず本線と考えるべき手段であり、その場で解決するとは限らないものの、対応の方向性を定めるうえで不可欠です。同意を得るうえで効くのは、第2章で述べたとおり、面談内容が誰にどこまで共有されるのかを先に明示することです
- 欠勤が続く場合に、その理由を証する書面の提出を求めること。 休職の申請や欠勤の取扱いに関する手続きとして、診断書の提出を求めること自体は、多くの就業規則に既存の根拠があります。「受診命令」の条項がなくても、休職・欠勤の条項側で対応できる場合があるため、自社の規程を確認する価値があります
- 受診行動および予約の負荷を下げる支援。 第2章の「判断力の低下と視野狭窄」の類型では、有効な場面があります。受診先の候補を具体的に示す、診療時間や予約方法を調べて伝える、勤務時間中の受診を認める、といった対応に規定は要りません。なお、家族への連絡や協力の依頼は第一の手段ではなく、本人の同意が前提です
- 事実の記録と、その共有。 規定がない状況ほど、後の対応の正当性は記録の厚みに依存します
規定がない状態では難しいこと
- 受診拒否そのものを理由とした懲戒。 根拠条項を欠く以上、極めて困難です
- 会社指定医の受診を義務として求めること。 京セラ事件のように信義則構成で認められた例はありますが、前述のとおり一般化には慎重であるべきで、これを当てにした運用は勧められません
- 拒否を理由とした一方的な就業停止。 第4章で述べたとおり、就業制限の根拠は事例性の側にあります。事例性の裏づけがないまま「受診しないから就業させない」とすると、賃金支払義務の問題(民法第536条第2項)を含めて争点化します
現実的な進め方
規定がない場合の実務は、「命令できないので、納得していただく」という構図に収束します。具体的には、事例性の事実を丁寧に伝え、会社として何を課題と考えているかを説明し、産業医面談という枠組みを提案する。産業医の側からは、面談を通じて必要性を判断し、受診勧奨を行う。この経路であれば、会社が医師の指定にまで踏み込む必要は生じません。
そして並行して規程の改定に着手することです。同種の事案は必ず再発します。今回の事案で「打つ手がない」と感じた点こそが、改定すべき箇所です。
第7章 実務の順序
実際に対応する際は、いきなり受診命令に飛ばないことが重要です。段階を踏むこと自体が、後に命令の相当性を支えます。
1. 事例性の課題を記録する
いつ、何が、どの程度起きているかを、上長が具体的に記録します。「最近おかしい」ではなく、日付・回数・内容です。この記録が後のすべての土台になりますので、事実ベースで記述し、主観を除くことを推奨します。
2. 事実を本人に伝える面談を行う
疾病を推測せず、観察された事実のみを伝えます。「ここ2週間で当日欠勤が5日ある」「何か事情があるのか、会社にできることがないか聞かせてほしい」という枠組みです。会社として何を課題と捉えているかを明示することが、次の段階の前提になります。
3. 産業医面談を提案する
労働安全衛生法第13条の3により、事業者は労働者が産業医等に健康相談を行える体制の整備に努めることとされており、長時間労働者や高ストレス者への面接指導(同法第66条の8、第66条の10)以外にも、随時の面談は可能です。産業医面談は診療の場ではないため治療はできませんが、就業上の配慮の要否を判断し、必要に応じて受診勧奨を行います。
この段階では「命令」ではなく提案として提示することが多くなります。面談によってその場で解決するとは限りませんが、対応の方向性は明確になります。 面談前に第2章の三点(会社が考えている課題、面談を提案する理由、情報の共有範囲)を伝えておくことで、面談で得られるものが変わります。
4. 応じない場合、就業規則に基づく受診命令を書面で発する
口頭で終わらせないことが肝要です。書面には、①命令の根拠となる就業規則の条項、②命令に至った事実(事例性)、③受診先・期限、④提出を求める書面、⑤応じない場合の取扱い、を記載します。
5. なお応じない場合、就業上の措置を検討する
懲戒に飛びつくのは順序として拙速です。第4章で述べたとおり、措置の根拠は事例性の側に置き、その帰結をあらかじめ本人と共有したうえで運用します。
よくある誤解の整理
| よく聞かれる理解 | 実際のところ |
|---|---|
| 「本人が拒否しているのだから、圧力を強めるしかない」 | 最も多いのは、不調に伴う判断力の低下・視野狭窄と、休職への漠然とした不安の複合。この場合に効くのは、制度と体制の丁寧な説明、および受診行動・予約の負荷を下げる支援。上げるべきは命令の強度ではなく説明の強度 |
| 「診断書に『配置転換すれば就労可』とあるので、応じる義務がある」 | 主治医は職場の実情を知らずに記載している。実現可能性は産業医が評価し、会社が決定する。検討は要するが(片山組事件)、必ず実現すべきという意味ではない |
| 「健診と同じで、医師は本人が選べるはず」 | 安衛法66条5項ただし書は健康診断についての規定。不調時の受診命令とは別の問題 |
| 「本人の同意がなければ産業医面談はできない」 | 就業規則に根拠があれば業務命令として実施を求めうる。ただし面談の意図・目的や、面談内容の共有範囲・情報管理は事前に明示すべき |
| 「受診命令=精神科・心療内科の受診命令」 | 会社が診療科を特定することは、疾病性への踏み込みにあたる場面がある。実際には、まず身体疾患を疑って一般内科を受診し、身体的な異常が認められなければ心療内科へ、という経路をたどることが少なくない。診療科の判断は医療側に委ねるのが妥当 |
| 「診断書に『就労不能』と書かれていないので、働かせてよい」 | 本人が就業継続を希望している場面で主治医が「就労不能」と明記することは稀。文言だけで判断せず、記載の趣旨を確認する必要がある |
| 「拒否されたら懲戒しかない」 | 疾病の関与が疑われる限り、優先すべきは休職ルート。懲戒ルートを選んだ事案が無効とされた例は少なくない |
| 「受診しないなら就業させない、で押し切れる」 | 就業制限の根拠は事例性の側(業務遂行・安全への具体的支障)にある。「受診しないこと」を根拠にすると循環に陥り、賃金支払義務の問題も生じうる |
| 「会社が命じるのだから費用は会社持ち」 | 受診は医療の範疇であり、費用・診断書料とも本人負担が原則と整理するのが自然。会社負担とするなら全額とし、健康保険の枠組みからは外して整理するのが筋 |
| 「就業規則に書いていなくても信義則で命じられる」 | 京セラ事件はそうした判断を示したが高裁判断であり、一般化には慎重であるべき。規定を置くことが原則 |
まとめ
- 「受診しない」の中身を先に見分ける。最も多いのは不調に伴う判断力等の低下と、休職への漠然とした不安の複合であり、上げるべきは命令の強度ではなく説明の強度。制度と体制を具体的に説明することが、命令よりはるかに効く
- 初回で断られても打ち切らず、間隔を置いて状況確認を繰り返す。改善が乏しい・悪化している場合に、就業規則の条項を示しながら勧奨を強める
- 疾病性が乏しく事例性のみに見えるケースこそ会社は対応に困る。この場合も、疾病性を否定しておくこと自体に意味がある
- 会社の判断軸は事例性に置く。疾病性への踏み込みは判断を誤らせるだけでなく、命令の必要性・相当性の説明を困難にする
- 受診を命じることは可能。ただし実効性は就業規則の記載でほぼ決まる。特に「命令に応じない場合の対応」の記載を欠く規程が多い
- 一方で、疾病の関与が疑われるにもかかわらず医学的な確認を経ずに不利益処分へ進むことも、会社側のリスクとなる
- 就業上の措置をとる場合、その根拠は事例性の側にある。「受診しないこと」を理由に据えると循環に陥る
- 規定がない場合でも、業務調整・産業医面談の提案・既存の休職条項の活用・受診行動の負荷を下げる支援など、打てる手は残っている
就業規則の受診命令条項の点検、健康情報取扱規程の整備、実際に拒否が生じている事案への対応などでお困りの際は、お気軽にご相談ください。
よくある質問(FAQ)
Q. 何度勧めても「大丈夫です」と言われます。どう対応すべきですか?
A. 最も多いのは、不調に伴って判断力が低下し、選択することも行動を起こすこともできなくなっている状態に、「休職すると良くない」という漠然とした不安が重なっている場合です。この場合に効くのは圧力ではなく説明で、休職期間、傷病手当金、復職の手順と復職後の取扱いを具体的にお伝えすると、不安の相当部分は解消します。受診先の候補を示す、日時をその場で一緒に決めるといった実行面の支援も有効です。
一方、精神疾患で病識そのものが保たれていない場合、その「大丈夫」は本人の主観として本当であり、説明を重ねても動きません。頻度は高くありませんが、放置した場合のリスクは最も大きい類型です。産業医面談を挟むことで、この見分けが可能になります。
Q. 診断書に「配置転換すれば就労可能」とあります。応じなければなりませんか?
A. 直ちに実施義務が生じるわけではありません。主治医は職場の人員配置、業務量、制度の有無を知らないまま、本人の話から想定される配慮を記載していることが通常です。実現可能性は産業医が職場の実情を踏まえて評価し、会社が決定します。ただし、職種を限定した雇用契約でない場合は他の業務での就労可能性を検討すべきとした片山組事件(最判平10.4.9)の趣旨が及びますので、検討自体は必要です。あらかじめ就業規則で、就業上の措置としてどの選択肢が制度として存在するのかを定めておくと、この判断が容易になります。
Q. 就業規則に受診命令の規定がありません。今すぐ命じることはできますか?
A. 命令として押し切ることは困難です。ただし打つ手がないわけではなく、事例性に基づく業務調整、産業医面談の提案、休職・欠勤条項に基づく診断書提出の求め、受診行動・予約の負荷を下げる支援などは可能です。詳しくは第6章をご覧ください。
Q. 受診にかかる費用や診断書料は、会社と本人のどちらが負担すべきですか?
A. 受診は医療の範疇にある行為ですので、受診費用・診断書料とも本人負担が原則と整理するのが自然かと思われます。会社が負担する場合は一部ではなく全額とすべきであり、その場合は健康保険による療養の給付の枠組みからは外して整理するのが筋になります。実務上、協議のうえで会社が負担する例は存在しますので、原則を就業規則に定めたうえで、例外を協議事項として残す形を推奨します。
Q. 会社が指定した医師の診断結果と、本人の主治医の診断が食い違った場合はどうなりますか?
A. どちらか一方が自動的に優先されるものではありません。それぞれの医師が持つ情報の範囲と、就業実態への理解の度合いが異なるためです。産業医が双方の情報と職場の実情を踏まえて意見を述べる、という整理が実務的です。
Q. 受診命令を拒否されたことを理由に、解雇できますか?
A. 受診拒否それ自体を理由とする解雇は、まず認められないとお考えください。 日本ヒューレット・パッカード事件は、疾病の関与が疑われる状況で段階的な対応を欠いた処分を無効としており、この趣旨は解雇の場面でより強く働きます。実際には、次に挙げる程度の段階をすべて踏み、かつ各段階の記録が残っていて、なお雇用の継続が困難と評価される場合にはじめて検討の対象になる、という理解が実態に近いものです。
① 事例性の記録の蓄積(単発の事象ではなく、継続と反復の記録)/② 事実の伝達と改善機会の付与(口頭の注意にとどめず、書面による指導を含む)/③ 産業医面談の提案と、産業医からの受診勧奨/④ 業務量の調整・配置転換等、就業を継続させるための措置の検討(職種を限定した雇用契約でない場合、他の業務での就労可能性を検討すべきとした片山組事件(最判平10.4.9)の趣旨が及びます)/⑤ 就業規則に基づく書面での受診命令/⑥ 応じない場合の就業上の措置と、その帰結の事前説明/⑦ 休職の発令と、休職中の療養状況の確認/⑧ 復職支援の実施/⑨ 休職期間満了時の判断
とりわけ、疾病の関与が疑われる限り、懲戒ルートではなく休職ルートを優先すべきという点が重要です。懲戒解雇・諭旨退職の形をとった事案が無効とされる例は少なくありません。また、これらの段階を「形式的に踏んだ」だけでは足りず、各段階で会社が実際に何を検討し、なぜ次に進んだのかが説明できる必要があります。個別の事案については、必ず弁護士・社会保険労務士にご相談ください。
Q. 本人が「産業医面談は受けるが、記録を会社に見せないでほしい」と言っています。
A. それが通常の運用です。面談後に会社へ共有されるのは産業医意見書であり、就業上の措置の判断に必要な範囲の内容に限られます。個人情報を含む面談記録そのものは、守秘義務の観点から原則として共有されません。この点を事前に説明しておくと、面談への抵抗は大きく下がります。
※ 本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の事案における法的判断を示すものではありません。実際の対応にあたっては、事実関係を踏まえて産業医・社会保険労務士・弁護士等にご相談ください。判例の射程については解釈に幅があり、本記事は実務上の一般的な理解に基づいて整理しています。
参考
- 労働安全衛生法 第66条第5項、第13条の3、第66条の8、第66条の10
- 電電公社帯広局事件(最高裁第一小法廷 昭和61年3月13日判決)
- 京セラ事件(東京高裁 昭和61年11月13日判決、労働判例487号66頁)
- 日本ヒューレット・パッカード事件(最高裁第二小法廷 平成24年4月27日判決、集民240号237頁)
- 片山組事件(最高裁第一小法廷 平成10年4月9日判決)
- 労働安全衛生規則 第44条(定期健康診断)/民法 第536条第2項
- 労働者の心身の状態に関する情報の適正な取扱いのために事業者が講ずべき措置に関する指針(平成30年9月7日)
- 労働契約法 第5条(安全配慮義務)
